起業したいと思った理由

挑戦

在宅介護サービスで13年
現場経験を積んだのち
施設ケアマネとして施設で働きました。

在宅ケアマネの時、介護に疲れ思い悩んだご家族の
要望をきき、施設への入所申請を行い
入所される利用者をたくさん見てきました。

在宅ケアマネにとって
施設への入所は担当の終了を意味し、
その先を特に深く考えたことはありませんでした。

ふとその先を見てみたいと思ったのと
あるきっかけも相まって
悩んだ末、施設へ転職しました。

そこで見たものは正直ショックの連発でした。

好きなものを好きな時に食べれない
行きたい場所があっても行けない
好きな時間に外にでることができない
寝たきりの方は、起きたい時間に起きることができない

全国にたくさんある施設が全てそうであるとは限りませんが
その時の私の目には
決められたルールの中に
ただ生かされているようにしか見えませんでした。

その原因の多くは介護士さんの不足。
人手が足りないから利用者の要望に応えることができない。

食事介助、排泄介助、入浴介助…
必死に何人もの利用者の対応を行う介護士さん。
1人1人の要望に対応していたら
何一つ終わらないのが現実だったのです。

それでも無理を承知でお願いすると
時間に余裕があるときは
外出のお手伝いや買い物に連れ出すお手伝いを
してくれる職員さんもおられました。

できないながらも
その中で出来ることを考え行動する。
仕方ない。それが今できること。
そう思いながら日々を過ごしていたある日、
届け物をしに夫が施設へやってきました。

その時に言われたのです。

「なんか、施設って牢獄みたいやね」

・・・

ショックでした。

私たちはやれることをやっている。


いつしかそれで
満足しかけていた自分に
歯がゆさと悔しさと、
さまざまな思いが入り交り
なんとも言えない気持ちでした。

でも、そう。

利用者にとっては
結局制限だらけであり
牢獄なのかもしれない。

親を施設に預けるときがきたら
入れたいと思うだろうか…
自分が思うように体を動かせなくなったとき
果たして決められたルールの生活に
心から笑って満足できるのだろうか…

きっとその時の
私の答えは決まっています。

だって楽しむ権利は
誰にだって平等にあるのだから。

人生一度きりです
年をとろうが、体が不自由になろうが
誰に気兼ねすることなく
最後まで楽しく過ごしたい
それが正直な気持ちだと思います。

ただ大きな施設ほど
実現は本当に難しい。

ならば小さくていい
今自分にできることは
1人1人が自分の人生やスキルや生き様に
誇りをもって過ごせる場所をつくること。

寝たきりであっても
畑仕事をしたいと言われれば
一緒に泥だらけになって土をいじります。

お墓詣りに行きたいのなら
どんな坂道だって付き合います。

手がうまく動かなくても
調理がしたいのならばとことん
手伝います。

そんな介護をしたい。

それが起業したいと思った理由です。




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